お菓子を片手に、日向で読書♪

活字中毒気味で、お菓子作りが趣味のマメリのブログ
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『わが身世にふる、じじわかし』 芦原 すなお
ニューヨークから河田警部が帰ってきた。帰国早々、不思議な事件に遭遇した悪友は、見事な推理をみせるぼくの妻の知恵を借りようと、やってきたのだった。かどわかされた爺さんの居場所を推理する表題作ほか、河田警部のニューヨーク時代や、ぼくの幼少の思い出もたっぷりの六編を収録。讃岐名物や郷土料理に彩られた、『ミミズクとオリーブ』『嫁洗い池』に続くシリーズ第三弾。<Amazon 「BOOK」データベースより>


シリーズ第3弾。
6つの短編で構成されているため、どれも話はあっさりしていて読みやすいです。
難解な推理物を求めていると拍子抜けしちゃうだろうけど、この本の…というか芦原さんの作品の魅力である登場人物たちのちょっと気が抜けるようなテンポのいい掛け合いと、おいしそうな料理の数々はこの作品でも変わらず。
読んでて安心できる作品です。

豪華な高い料理を食べに行くよりもずっとおいしそうな家庭料理の数々…。
今回はちらし寿司が食べたくなった。イリコ飯もおいしそうですね。

今回は「ぼく」の体調がことのほか優れなかったようで…この作品に彼が登場しない、なんてことはなら無いだろうけど、いきなり気絶されちゃうとどっか悪いんじゃないか?!と不安にもなります。
最初の方では風邪引いてたし。
今後のシリーズ続行の為にも、元気でいて欲しい…(^_^;)
| マメリ | ★★日本人作家 あ行★★ | comments(5) | trackbacks(0) |
『夜のピクニック』 恩田 陸
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。<Amazon 「BOOK」データベースより>


今更『夜のピクニック』。
何で今頃になって…という感じですが、この作品が話題になっていた当時はどうも手が伸びなかったんです…。けど先日、ふと本屋さんで表紙を見かけて、「あ、読んでみようかな」と思って買っちゃった。

恩田さんの作品は、『光の帝国』が発売された比較的初期の頃から、新刊が出るたびに買ってました。
コンスタントに新刊が出て、しかも読みやすいしどれも楽しくて好きでした。
けどワーホリから帰ってきてからというもの、なぜか遠のいてました。。。

まあそれは置いといて、夜のピクニック。
面白かったです。
物語に大きな起伏はなく、歩行祭という朝8時から翌日の朝8時まで歩きとおすという学校行事の中での、高校生の何気ない会話が主体と言ってしまえばそれまで。
けどその何気ない会話の中に、はっとさせられ、二度と経験することの出来ない過ぎ去った時間というものを切なく思い出させる。

こういう行事、やってみたかったなーと思いました。
でも高校生に逆戻りして経験したいのかと言うと、違う。
今の自分のままで、年だけ高校生の頃に戻ってこういう行事に参加したい。
やっぱり今振り返ると、高校時代っていい事ばっかりじゃなかったし、あの頃は色々と幼かったんだな…と思うんです。
本書に登場するような、こんないい子じゃなかった。
だから、少しは成長したであろう今の自分で参加したい。
そして貴子や融たちのようにたわいのない会話をして、高校生活を振り返って、笑いあったりしたい。

登場人物にも好感がもてて、読後感もすごく気持ちが良かったです。
勉強嫌いの私はあまり学生時代に戻りたくないんだけど、これを読むともう一回学生やってみたいなーなんて考えてしまった…。
読んでいてホッと心が落ち着くし、のんびりと読み進めることができるので、寝る前の読書にもオススメです。
| マメリ | ★★日本人作家 あ行★★ | comments(2) | trackbacks(1) |
『コールドゲーム』 荻原 浩
高3の夏、復讐は突然はじまった。中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく…。犯行予告からトロ吉が浮び上がる。4年前クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが―。やるせない真実、驚愕の結末。高3の終らない夏休みを描く青春ミステリ。 <Amazon「BOOK」データベースより>


青春ミステリとあるけど、青く苦い、そんなミステリを期待すると肩透かしを食うかも。
荻原さんの作品は2作目。以前読んだ「ちよ」はとても楽しく(不気味でもあったけど)、これは他のも読んでみよう!と思わせる作品でしたが…この作品を読んで、やっぱりいじめを題材にした本は難しいなと思いました。

子どものイジメは残酷だとか、女のイジメは陰険だとかよく耳にするけど、大人のイジメだって知恵がついたぶん恐ろしいし残酷だし、男のイジメだってやっぱり陰険。結局、男だとか女だとか、大人だとかそんなのは関係ない…。
陰湿な、そしてあからさまなイジメの数々を作中で目にして、おもわず廣吉の当時の心境を想像してしまい、何度も凹んでしまった。
けして楽しい気持ちになれる作品ではありません。

いじめていた過去はなくならない。
若さゆえと片付けてしまっていいものなのか…登場人物たちが結局はどう思っていたのか、イジメを悔やんだのか。復讐からの防衛が主になっているため、イジメに対する各人の思いが少なかったのが少々物足りなかった。
けどきっと、口には出さないけれどそれぞれが廣吉のことを思い、そしてどうしてこんな事になったのか、自分はどうするべきだったのか、廣吉からの復讐におびえつつ考えまくっていたのだろうなと思う。
そしてこれからも、しこりとしてずっと残り続ける。

文字で読んで、改めてイジメの怖さについて考えさせられる1冊。
| マメリ | ★★日本人作家 あ行★★ | comments(2) | trackbacks(0) |
『嫁洗い池』 芦原 すなお
『ミミズクとオリーブ』に引き続き、作家とその妻、そして同郷の刑事が繰り広げる掛け合いの妙が、何とも言えない直木賞作家による安楽椅子探偵ものの第二弾。そして、郷土料理を中心に、本集でも読むだけで涎の出そうな料理や食材の数々が登場する。大根の雪花、イリコ、塩アンの丸餅、アラメ、ヒャッカ、豆腐の兄弟煮、関東炊き…。美食と推理の華麗な競演をお楽しみあれ。<Amazon 「BOOK」データベースより>


シリーズ2作目。
今回も河田が一見解決したかに思えるがどこか引っかかりを覚えてしまう事件や、謎が多く不可解な事件を酒のつまみに持ってきて、我が家にやってきて奥さんに推理してもらうお話。

語り手で小説家の「ぼく」は、河田の話に相変わらずちゃちゃを入れまくり。
そしてそれを無視しつつも、たまについ受け答えしちゃって話がそれてしまう河田。
それを軌道修正し夫である「ぼく」を叱る妻。

テンポ良く、会話も楽しいのでスルスル読めちゃいます。
胃の調子が悪い時の「ぼく」のびびりっぷりが面白いし、河田との掛け合いも楽しい。
そしてなにより!登場するご飯のおいしそうなことといったら…!
ご飯時になると描写が丁寧になるんだから、読んでるこっちはお腹がすいてたまらない。
一緒にお相伴に預かりたくなります。
今回は庭で炭焼きも加わり、魅力が倍増。

ミステリよりも、出てきた料理の方が印象が強いという不思議なシリーズ。
とても面白かったです!
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| マメリ | ★★日本人作家 あ行★★ | comments(0) | trackbacks(0) |
『万華鏡』 遠藤 周作
遠藤 周作
朝日新聞
---
(1993-03)
ときには輝き、ときには翳る人の心の不思議さ。人智を超えた力の不思議さ。心の深層を見つめる著者の愛とユーモアにあふれるエッセー。<Amazon 「BOOK」データベースより>


遠藤周作と言うと、私は『沈黙』が一番好き。
高校生の頃だったか、友人のikueが「遠藤周作がいい沈黙がいい踏み絵の場面で・・・」と熱く語るのでじゃあ読んでみるか…と軽い気持ちで読んだのが始まりでした。以来、何度も読み返してますが、何回読んでもふるえがきます。

胸どころか全身が震えるようなお話を書かれる遠藤周作ですが、一歩小説をはなれると、もうひとつの顔は狐狸庵先生。
エッセイと小説の落差に驚くことも度々です。
抱腹絶倒のエッセー集もあれば、人生観、輪廻、別れ、深層心理などをさぐる考えさせられるエッセーも数多くあります。

この『万華鏡』は朝日新聞に連載された、輪廻や別れ、人智を超えた力の不思議さなどが語られたエッセイ集。
その他にナチの強制収容所を訪れた時の様子や、金田浩一氏の著書に「そそっかしい男の見本」とかかれ、いやいやこの金田氏こそそそっかしいと言いつつ、自身のそそっかしさを披露したりと、とても幅広い内容になっています。

どれも短い3ページ程度のエッセーばかりですが、人生や死について考えさせられ、また生きていくうえでの気楽さを教えられ…考えさせられる話が数多く在りました。
けどそのすべてが押し付けがましくない。自身の意見を尊重してくれる。
腰をすえて、静かに読みふけりたい本です。
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| マメリ | ★★日本人作家 あ行★★ | comments(2) | trackbacks(0) |
『ミミズクとオリーブ』 芦原 すなお
讃岐名物の「醤油豆」。焼いたカマスのすり身と味噌をこね合わせた「さつま」、黒砂糖と醤油で煮つけた豆腐と揚げの煮物。カラ付きの小海老と拍子木に切った大根の煮しめ。新ジャガと小ぶりの目板ガレイ(ぼくらの郷里ではこれをメダカと呼ぶ)の唐揚げ…次々と美味しいものを作るぼくの妻は、なんと名探偵だった!数々の難問を料理するそのお手並みを、とくとご賞味あれ。<Amazon「BOOK」データベースより>


出てくる料理は美味しそうでお腹がすくし、雰囲気がほのぼのしていてなんだか落ち着けるし、読後感もいいし。
とても楽しかったです♪
とにかく、雰囲気がいい。
シリーズ化してるみたいなので、続編もぜひ読んでみたい☆

7つのお話から成る短編集で、どれもそれぞれに異なった風合いで楽しかったけど、中でもわたしは、お話の語り手である小説家のぼくと奥さんの馴れ初めを回想する『梅見月』が一番好きです♪
ぼくと高校時代の恩師のやり取りも楽しいし、べったり仲良しなわけじゃないけど、口では悪く言ったりするくせにかなり仲のいい恩師との関係も読んでてほっとする。
恩師の娘さん(現在の妻)にほれてしまい、どうやって会いに行こうか悩んで作り上げた理由にも笑ってしまう。些細な行動がとっても微笑ましい。

浮き世離れしたところのあるぼくと、ふわふわしてそうで実はしっかり者、だけど不思議な雰囲気のある奥さんは似たもの夫婦ですね〜。

せわしなく過ぎていく日常の中で、ふたりのように過ごせたらなぁと思いました。
ぼくの友人の河田たちも、この二人の家にいると落ち着いて癒されるから、つい通ってきちゃうんだろう。
私も奥さんの手料理に舌鼓を打ちながら、のんびり縁側でビールのみたいなー。
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| マメリ | ★★日本人作家 あ行★★ | comments(4) | trackbacks(1) |
『桃山ビート・トライブ』 天野 純希
秀吉が権勢を振るい、三成が野心を抱いた安土桃山時代。三味線弾き・藤次郎、笛役者・小平太、太鼓叩き・弥介、舞姫・ちほの4人が一座を結成。型破りな音楽と踊りを武器に権力に立ち向かう…。躍動感あふれる進化系時代小説。<Amazon「MARC」データベースより>


ジャケ買いでした。
この表紙を書店で見たとき、「時代モノなのになんだこの表紙は!」と驚きました。
思わず手に取っちゃうよ。
そして裏を見て更にビックリ。え、この時代にこんな人いたの?って思った。それが弥介でした。

その時は買わなかったんだけど、やっぱり気になって気になって、結局買っちゃった。
で、読んでみると…楽しかった。

前半部分の細切れ描写や出会い部分や出て行く時なんかの軽さにいまひとつ入り込めなかったんだけど、4人が出会うべくして出会い、演奏を始めていく過程、そして人々をひきつけていく場面あたりからどんどんと惹き込まれていきました。場面が脳裏に浮かぶ。
ちほの踊りを、藤次郎や小平太や弥介の音楽を聴いてみたい!

彼らの設定も楽しい。
弥介なんて、とある有名な人に仕えてたんだけど、そのときに登場したR。もしかしてこのRってあのR?!なんて思ってたら、ほんとにあのRだし、笑ってしまうような設定。
でもそれがまた味をだしてるし、藤次郎の奔放なところを小平太がカバーしつつも、でもちほの踊りが奔放さを更に後押しする。知性派かと思わせる弥介がじつはかなり適当人間だったりするのも楽しい。

けど、ただ楽しいだけでは終わらない。
時代は戦国の世。
他の芸人から反感を買うことなんてまだ可愛い。天下人から目をつけられてしまい、辛く悲しい目にあったりもする…。
それでもくじけず、上を見上げて演奏し続ける彼らにはちょっと感動です。

とても勢いのある、リズムにのったお話でした。
お話の根底にはジャンベの低く、はじけるような音がする。
躍動感溢れる、一風変わった時代小説でした。

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『押入れのちよ』 荻原 浩
荻原 浩
新潮社
¥ 1,575
(2006-05-19)
Amazonランキング: 154070位
今ならこの物件、かわいい女の子(14歳・明治生まれ)がついてきます…。幽霊とサラリーマンの奇妙な同居を描いた表題作ほか、「木下闇」「殺意のレシピ」「介護の鬼」など全9話を収録した、ぞくりと切ない傑作短編集。<Amazon「MARC」データベースより>


荻原さん初読み。
表紙の写真がとても印象的で、なんだか怖そうだなぁと思いつつもジャケ買いでした。
9つのお話がはいった短編集。

最初の『お母さまのロシアのスープ』からガツーンとやられました。
お母さまの作るスープの具について、そして差し入れられる野菜などについて着目させといて、じつはあっちにも仕掛けがあったとは…。
お父さまのお話が始まったときに、まさか!と気がついて…ビックリでした。

その後つづく『コール』と表題作の『押入れのちよ』、この3作目まではまだほのぼのした気分を持ちつつ読めたのですが…4作目からはかなりダークなお話に…。

『老猫』も『殺意のレシピ』も『介護の鬼』も、どれもぞわぞわと怖かったです。
読後感もちょーダーク…。
しかも描写がリアルだから、想像がついちゃう。匂いまで書かれてるから、いまにもにおってきそう。なかでも一番描写が細かくグロテスクだった『老猫』なんて、夢に出てきそう…。
怖い、ちょっと気持の悪いお話しが苦手な人は昼間に読んだ方がいいと思います。

そんなダークなお話がある一方、『押入れのちよ』はとても可愛らしいお話でした。
ちよの登場場面ではちょっとぞわっとしましたが、読み進めていくうちに無邪気なちよと、ちよの為に必死になる恵太が可愛いやら微笑ましいやら。
この短編集の中の唯一の癒しともいえるかも。

怖かったり不気味だったり、可愛かったり。
どれもはずれのない短編ばかりでした。
荻原さんの本、今度は怖くないのを読んでみようと思います。
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『カワセミの森で』 芦原 すなお
英腺女子高等学校2年生の陸上部員、桑山ミラ。
ある日、お嬢様学校の聖ベロニカ女子高校から転校生がやって来た。陸上の短距離走者でインターハイレベルの深山サギリだ。
サギリは転向早々、ミラと友達になりたいと積極的にアピールしてきた。
なんやかやと仲良くなったミラとサギリだが、夏休みに遊びに行ったサギリの別荘で殺人事件が発生してしまい…

というお話。
面白かったです。
ミステリと考えると物足りないけど、桑山ミラの語る物語としてとても楽しかった。

事件が起こるまでの話の立ち上がりがとても長く、どうでもいいことがダラダラと語られるのでしんどいと思う人もいるかもしれません。
私にはそのダラダラした部分がとても楽しかったです。

ミラの語り口は独特だし、言い回しもちょっと…というかかなり変わっていて、話し始めたらとことん脇道にそれたりする。
お母さんの行動も面白くて、思わず噴出しそうになることもありました。
ミステリを楽しむというより、ミラの言動と日常を楽しむ感じかな。

ミステリとしては、事件が起こって起こって起こって…するりと解決。
悩み考える暇もなく解決してしまったのはちょっとあっけなかった。
けど、そのあっけなさも楽しいと感じちゃった。不思議だ、ミラ。

ひょっこり出てきそうで結局出てこなかったあの人が気になる。
ミラのお話、シリーズ化しないのかな。

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| マメリ | ★★日本人作家 あ行★★ | comments(2) | trackbacks(1) |
『小川未明童話集』 小川 未明
人間はこの世の中で一番やさしいものだと聞いている――北海の海底に一人寂しく過ごした人魚が、夢と希望を託して人間界に産み捨てた美しい娘の運命を描く『赤いろうそくと人魚』。ある夜中、おばあさんの家を風変わりなお客が訪れる『月夜と眼鏡』。旅人を眠らせてしまう不思議な町をめぐる少年の冒険『眠い町』等 全25編を収録。グリム、アンデルセンにも比肩する児童文学の金字塔。<表紙裏より>


小川未明さん、初読みでした。
一話が4ページ前後ととても短いのですが、その短いお話の中にぎゅぎゅっと美しく哀しい世界が、ときにはほのかな幸せ溢れる世界が詰め込まれていました。
いやー、すごい。
としか言いようがない…。

最初に収録されていた『赤いろうそくと人魚』があまりにきれいで、でも哀しいお話だったので、しょっぱなからちょっと沈んだ気分になりそうだったんですが、二話目の『野ばら』、その次の『月夜と眼鏡』がほわっとさせてくれるお話だったので、一気に気持ちも上昇。

『野ばら』は
大きな国と、それと隣り合った小さな国の、都から遠い国境を大きな国の老人兵と小さな国の青年兵が右と左にそれぞれ番をしていました。他に話す相手もおらず、2人は次第に仲良くなったのですが、冬が去って春が来た頃、大きな国と小さな国が戦争を始めてしまい……というお話です。
決して幸せなお話ではないけれど、お互いを思う気持ちが読んでいてホッとしました。
置いていかれた形になったおじいさんの気持ちを考えると辛いけど…。

『金の輪』もとても印象的。
金の輪を持って走っていた少年の正体はもしかしたら…と考えると、薄ら寒くなりつつも、なんでこんなきれいな世界がかけるんだろう?と感動も。
これも、わずか4ページのお話です。

とても素敵な童話集でした。

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| マメリ | ★★日本人作家 あ行★★ | comments(2) | trackbacks(0) |
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